zukucode
主にWEB関連の情報を技術メモとして発信しています。

TypeScript Recordでキーと値の対応表を型安全に作る

ステータスごとの表示名や色を定義するとき、文字列を自由にキーへ使うと、追加漏れやタイプミスに気付きにくくなります。キーの候補が決まっている対応表にはRecordを利用できます。

ステータスの表示名を定義する

type OrderStatus = 'waiting' | 'shipped' | 'canceled';

const statusLabels: Record<OrderStatus, string> = {
  waiting: '発送待ち',
  shipped: '発送済み',
  canceled: 'キャンセル',
};

const getStatusLabel = (status: OrderStatus): string => statusLabels[status];

Record<OrderStatus, string>は、3つのステータスをキーとし、それぞれの値が文字列であるオブジェクトを表します。

追加漏れを検出する

例えばcanceledを対応表から削除すると、TypeScriptが不足を検出します。定義にないcompletedを追加してもエラーになります。ステータスをUnion型へ追加した際に対応表の更新も促されるため、複数の条件式へ表示名を散らすより変更箇所を見つけやすくなります。

値をオブジェクトにする

type StatusView = {
  label: string;
  tone: 'neutral' | 'success' | 'danger';
};

const statusViews: Record<OrderStatus, StatusView> = {
  waiting: { label: '発送待ち', tone: 'neutral' },
  shipped: { label: '発送済み', tone: 'success' },
  canceled: { label: 'キャンセル', tone: 'danger' },
};

画面側はstatusViews[status]から表示に必要な設定をまとめて取得できます。

一部のキーだけ定義する

すべてのステータスが必要でない場合はPartial<Record<OrderStatus, string>>を使えます。ただし取得結果はstring | undefinedになるので、値がない場合を処理します。

const notes: Partial<Record<OrderStatus, string>> = {
  canceled: '再注文できます',
};

const note = notes.waiting ?? '補足はありません';

APIから届いた任意の文字列は、自動的にOrderStatusにはなりません。候補に含まれるか確認してから対応表のキーに使います。


関連記事

  • TypeScript unknown型を安全に確認して使用する

    unknownは、どのような値が入っているか分からないことを表す型です。外部から受け取ったJSONやcatchした値を、確認せず操作したくない場合に使います。anyは型チェックを無効にしますが、unk...


  • TypeScript Union型を条件分岐で安全に使い分ける

    APIの結果が成功または失敗のどちらかになる場合、両方の項目を任意にした1つの型へ詰め込むと、存在しない値を読みやすくなります。Union型なら、あり得る状態を別々に表せます。statusはどの型かを...


  • TypeScript typeとinterfaceの基本的な使い分け

    TypeScriptでは、typeとinterfaceのどちらでもオブジェクトの形を定義できます。似ている部分が多いため、最初はどちらを使えばよいか迷うことがあります。今回は基本的な書き方と、分かりや...


  • TypeScript readonly配列で意図しない変更を防ぐ

    関数へ配列を渡すと、その関数からpushやsortで元の配列を書き換えられます。読み取りだけをする関数では、引数をreadonlyにして意図を型で表します。totalの中でprices.push(40...


  • TypeScript Problem DetailsをZodで検証してAPIエラーを扱う

    fetchは、サーバーが400や500を返してもPromiseをrejectしません。そのため、HTTPステータスを確認し、レスポンスの形式を検証してから、画面で扱いやすいエラーへ変換する必要がありま...


  • TypeScript オプショナルチェーンとNull合体演算子の使い方

    APIから受け取るデータには、値が存在しない項目が含まれることがあります。TypeScriptでは、オプショナルチェーンの?.とNull合体演算子の??を使用すると、nullやundefinedを安全...


  • TypeScript ジェネリクスで引数と戻り値の型をつなぐ

    同じ処理を文字列と数値の両方に使いたいとき、引数をanyにすると戻り値の型も分からなくなります。ジェネリクスを使うと「受け取った型と返す型が同じ」という関係を表せます。Tは関数を呼ぶときに決まる型です...


  • TypeScript async awaitで非同期処理の失敗を扱う

    APIの結果を待ってから画面に表示したいときは、asyncとawaitを使います。ただし、fetchはHTTPの404や500だけでは例外になりません。通信失敗とHTTPエラーを分けて扱います。awa...


  • TypeScript mapとfilterで配列を変換する

    mapとfilterは、配列から新しい配列を作るメソッドです。どちらも元の配列を変更しませんが、役割は異なります。要素数を保ったまま各値を変換するならmap、条件に合う要素だけへ減らすならfilter...


  • AjvでAPIのレスポンスの型チェックを行う

    TypeScript fetchの共通処理を実装するでfetchの共通処理を作成しましたが、これはAPIからのレスポンスの形式があっている前提で処理を行っています。例えば以下はAPIのレスポンスの型は...