SQL WITH句で同じSQLを1つのSQLに共通化する
SQL SELECT句での副問合せの基本的な考え方と注意点で紹介したように、副問合せを使用していると同じようなSQLを複数箇所で行うことがあります。
同じようなSQLはWITH句を使用して共通化すればパフォーマンスが改善されることが多いです。
WITH句によりパフォーマンスが改善されるのはOracleだけのようです。
(コメント欄にてご指摘いただきました。ありがとうございます。)
例えば以下のようなテーブルとSQLがあるとします。
SQL PARTITION BYの基本と効率的に集計する便利な方法で紹介したように、分析関数を使用すればもっとシンプルに取得できますが、説明の都合であえて以下の方法で取得します。
| id | first_name | last_name | department_id | height | 
|---|---|---|---|---|
| 1 | 一郎 | 山田 | 1 | 170 | 
| 2 | 次郎 | 佐藤 | 2 | 175 | 
| 3 | 三郎 | 田中 | 1 | 185 | 
| 4 | 四郎 | 鈴木 | 2 | 155 | 
SELECT
  T1.id,
  T1.first_name,
  T1.last_name,
  T1.department_id,
  (
    SELECT
      AVG(SUB1.height)
    FROM
      employee SUB1
    WHERE
      T1.department_id = SUB1.department_id
  ) AS avg_height,
  (
    SELECT
      MAX(SUB1.height)
    FROM
      employee SUB1
    WHERE
      T1.department_id = SUB1.department_id
  ) AS max_height
FROM
  employee T1このSQLに適当な条件を追加すると以下のようになります。
SELECT
  T1.id,
  T1.first_name,
  T1.last_name,
  T1.department_id,
  (
    SELECT
      AVG(SUB1.height)
    FROM
      employee SUB1
    WHERE
      T1.department_id = SUB1.department_id
      AND T1.last_name = '山田'
  ) AS avg_height,
  (
    SELECT
      MAX(SUB1.height)
    FROM
      employee SUB1
    WHERE
      T1.department_id = SUB1.department_id
      AND T1.last_name = '山田'
  ) AS max_height
FROM
  employee T1
WHERE
  T1.last_name = '山田'上記SQLではemployeeテーブルのSELECTを何回も行うことになります。
副問合せでemployeeの参照が増えるたびにパフォーマンスはどんどん悪化していきます。
以下のSQLをVIEWのように定義しておき、そのテーブルを参照することを考えます。
共通化したいSQLSELECT *
FROM
  employee T1
WHERE
  T1.last_name = '山田'WITH句の使い方
WITH句を使用すれば1つの副問い合わせをいろいろな場所で使いまわすことができます。
メインのSQLの前にVIEWを作成するイメージでWITH句で副問合せを行います。
WITH employee_with AS (
  SELECT *
  FROM
    employee T1
  WHERE
    T1.last_name = '山田'
)
SELECT
  T1.id,
  T1.first_name,
  T1.last_name,
  T1.department_id,
  (
    SELECT
      AVG(SUB1.height)
    FROM
      -- WITH句で指定したテーブルを参照
      employee_with SUB1
    WHERE
      T1.department_id = SUB1.department_id
  ) AS avg_height,
  (
    SELECT
      MAX(SUB1.height)
    FROM
      -- WITH句で指定したテーブルを参照
      employee_with SUB1
    WHERE
      T1.department_id = SUB1.department_id
  ) AS max_height
FROM
  -- WITH句で指定したテーブルを参照
  employee_with T1複数のテーブルを指定する
WITH句で複数のテーブル(副問合せ)を使用したい場合はカンマ区切りで指定します。
また、自身の副問合せより前に定義したWITH句のテーブルを参照できます。
WITH sample_with AS (
  SELECT *
  FROM sample
  WHERE COL1 = 'sample'
),
sample2_with AS (
  SELECT *
  FROM sample2
    -- WITH句で定義したテーブルも参照可能
    JOIN sample_with
    ON sample2.COL1 = sample_with.COL1
  WHERE sample2.COL1 = 'sample'
)
SELECT