SQL FROM句での副問合わせの基本的な考え方と注意点
FROM句で副問合わせを行うと、SELECTした結果を1つのテーブルとして、他のテーブルと結合できます。
SELECTした結果をVIEWとして予め定義しておくことができますが、FROM句での副問合わせでは、SQL実行時にVIEWを作成したかのように実行できるので、FROM句での副問合わせをインラインビューInline viewと呼ぶことが多いです。
例えばSQL ある列の値が最大もしくは最小の値のレコードを取得するで紹介した以下のようなSQLです。
SELECT
last_name,
height
FROM (
SELECT
last_name,
height,
ROW_NUMBER() OVER(ORDER BY height DESC) height_order
FROM
employee
)
WHERE
height_order = 1このとき、FROM句でのSQLを副問合わせと呼びます。
(
SELECT
last_name,
height,
ROW_NUMBER() OVER(ORDER BY height DESC) height_order
FROM
employee
)このインラインビューを予めVIEWとして定義しておけば、以下のSQLになります。(作成したVIEWの名前をAとします)
SELECT
last_name,
height
FROM A
WHERE
height_order = 1SQLはシンプルになりますが、副問合わせが必要になるたび、VIEWを定義するのは現実的でありませんので、SQLを実行するときだけVIEWを作成するようなイメージで副問合せを使用します。
注意点
注意点として、FROM句で指定した他のテーブルの値は使用できません。
SELECT
A.id,
B.COL2
FROM
A,
(
SELECT
COL1,
COL2
FROM
B
WHERE
A.id = B.id --Aの値は参照できない
) B理由は、副問合わせ(インラインビュー)のSQLでVIEWを作成することをイメージしてもらえばわかりやすいです。
副問合わせの部分だけのSQLを実行すると、当然テーブルAは参照できません。
複雑なSQLでエラーの原因を特定したい場合などでは、副問合わせのSQLのみ抽出して実行してみて、正しい結果が得られるか確認していくとやりやすいです。
FROM句での副問合わせ(インラインビュー)ではその部分のSQLで完結している必要があるというのがポイントです。