ページ制御時の1ページあたりのレコードを取得するSQL文の雛形
ページ制御を使用している画面で、現在ページに表示するデータをSQL
で取得する方法を紹介します。
以下のサンプルはOracle
の構文で紹介していますが、他のデータベースでも基本的には考え方は同じです。
ページ制御に必要な情報
ページ制御をするには以下の情報が必要になります。
- 現在ページ
- 1ページあたりの表示件数
- データの総件数
このうち「現在ページ」と「1ページあたりの表示件数は」予め定義されていることを前提とします。
データの総件数は実際にSQL
でデータを取得してみないとわかりません。
SELECT A.*
FROM (
SELECT
A.*,
-- 行番号を取得
ROWNUM RNUM,
-- 総件数を取得
COUNT(*) OVER () TOTAL_COUNT
FROM (
-- この部分のSQLを書き換える
SELECT
A.COL1,
A.COL2,
A.COL3
FROM A
ORDER BY COL1
) A
) A
WHERE 1=1
-- 現在ページに表示する範囲で取得
AND A.RNUM BETWEEN :R_FROM AND :R_TO
ORDER BY A.RNUM
総件数の取得
実際のデータを取得するSQL
と総件数を取得するSQL
で2回発行する方法をよく見かけますが、分析関数を使用すれば1回のSQL
で取得できます。
分析関数についてはSQL PARTITION BYの基本と効率的に集計する便利な方法で詳しく紹介しています。
取得範囲の設定
BETWEEN :R_FROM AND :R_TO
で現在ページに表示する範囲で取得しています。(R_FROM
とR_TO
はパラメータで指定しています。)
1ページあたりの表示件数を50件とすると
1ページ目は1〜50
2ページ目は51〜100
3ページ目は101〜150
取得範囲は「現在ページ」と「1ページあたりの表示件数」を使って以下の計算式で求めることができます。
CurrentPage = 現在のページ番号(1〜)
DispCount = 1ページに表示する件数
とすると
R_FROM = ((CurrentPage - 1) * DispCount) + 1
R_TO = ((CurrentPage - 1) * DispCount) + DispCount
総ページ数の取得
SQL
で総件数が取得できたので、総ページ数を計算して取得します。
総ページ数がないと何ページまでページ制御ができるのかがわからなくなってしまいます。
TotalCount = SQLで取得した総件数
DispCount = 1ページに表示する件数
'Math.Ceiling = 切り上げ(VB.NET)
総ページ数 = Math.Ceiling(TotalCount / DispCount)
「総件数」を「1ページに表示する件数」で割った結果を切り上げした結果が総ページ数となります。
ページ制御についてはレスポンスが問題になることがあります。
パフォーマンスについての考え方をSQL ページ制御のパフォーマンスについて考えるで紹介しています。