SQL JOINの結合条件とWHEREの条件の違いと使い分け
SQLのJOINの結合条件とWHERE句での条件の違いを整理します。
例えば以下のようなテーブルがあるとします。
| id | first_name | last_name | department_id |
|---|---|---|---|
| 1 | 一郎 | 山田 | 1 |
| 2 | 次郎 | 佐藤 | 2 |
| 3 | 三郎 | 田中 | 1 |
| id | department_name | delflg |
|---|---|---|
| 1 | 営業部 | 0 |
| 2 | 人事部 | 1 |
department.delflg = 0の社員のみ取得したい場合、以下のようなSQLになります。
JOINの結合条件SELECT
T1.first_name,
T1.last_name,
T2.department_name
FROM
employee AS T1
JOIN department AS T2
ON T1.department_id = T2.id
AND T2.delflg = 0WHEREの条件SELECT
T1.first_name,
T1.last_name,
T2.department_name
FROM
employee AS T1
JOIN department AS T2
ON T1.department_id = T2.id
WHERE
T2.delflg = 0| first_name | last_name | department_name |
|---|---|---|
| 一郎 | 山田 | 営業部 |
| 三郎 | 田中 | 営業部 |
絞り込みという観点で見ればJOINではなくWHEREで条件を指定したほうがSQL文の意図は伝わりやすいとは思いますが、T2.delflg = 1の条件はJOINでもWHEREでも結果は同じになります。
外部結合の場合の注意点
上記SQLは内部結合(JOIN,INNER JOIN)なので結果が変わらないのですが、外部結合(LEFT JOIN,LEFT OUTER JOIN)の場合は結果が異なるので注意が必要です。
LEFT JOINの結合条件SELECT
T1.first_name,
T1.last_name,
T2.department_name
FROM
employee AS T1
LEFT JOIN department AS T2
ON T1.department_id = T2.id
AND T2.delflg = 0| first_name | last_name | department_name |
|---|---|---|
| 一郎 | 山田 | 営業部 |
| 次郎 | 佐藤 | null |
| 三郎 | 田中 | 営業部 |
WHEREの条件SELECT
T1.first_name,
T1.last_name,
T2.department_name
FROM
employee AS T1
LEFT JOIN department AS T2
ON T1.department_id = T2.id
WHERE
T2.delflg = 0| first_name | last_name | department_name |
|---|---|---|
| 一郎 | 山田 | 営業部 |
| 三郎 | 田中 | 営業部 |
LEFT JOINは結合先のテーブルに結合条件を満たすデータが存在しない場合でも結合元のデータは取得されます。
そのため、LEFT JOINの結合条件で指定した場合は結合元のemployeeのデータがすべて取得されることになります。
department.delflg = 0の社員のみ取得したい場合は結合条件ではなくWHERE句の条件で絞り込む必要があります。
内部結合と外部結合の使い分け
LEFT JOINで結合した時、結合条件を満たすデータが存在しなかった場合は、結合先のデータはすべてnullになります。
上記例②のようにWHERE句でLEFT JOINの結合先のテーブルの値をnull以外の条件で絞り込むのは、内部結合で結合した場合と実質は同じことになります。
一般的に外部結合よりも内部結合のほうがパフォーマンスは優れているので、②ような場合は内部結合を使うべきです。
結合条件と絞り込み条件の使い分け
上記を踏まえて、結合先のテーブルに紐付かないデータでも結合元のデータはすべて出力したいという場合は外部結合の結合条件で条件を指定することになります。
結合先のテーブルに紐付かないデータを出力したくない場合は、内部結合の結合条件もしくはWHEREの条件で指定します。